104 花の心を読み始めると果てしない 大出一博 写真展 葉山文化園

そうてつローゼン隣の葉山文化園(046-876-3188)で開催されている特別企画展「大出一博 写真展」(入場無料5月24日まで)に行った。歩いて5分もかからない葉山文化園はローゼンに行く都度、気になって20年以上経った。

葉山文化園は、人と人、人と自然、人と文化をつなぎ、様々な分野で活躍する、幅広い世代の方々が集う「会員制コミュニケーション倶楽部」とホームページにある。

「自然のままに、自然と共に・・・」と案内されている写真の美しさに言葉を挟む余地はない。(ろくさん)

安藤忠雄「桜と大阪 大阪の遺伝子を目覚めさせ、市民の力で町を美しく元気にしようと思い立ったのが『桜の会・平成の通り抜け』という植樹活動だ。…春の大阪の象徴とも言える全国的な名所となっている」

阿久悠「桜の髪飾り 一ひら二ひらの小さな花びらが髪にひっかかっているだけで、人間の相は違って見える。…鬼気も妖気も道化も自失も、ご本人は知らないことであるが、案外本心を好かして見せているのかもしれない。これは、桜の持っている神秘のせいで、他の花なら、たかが風のいたずら、そんな想像をすることはない」

阿久悠「蓮は語る 大出一博氏が何に魅せられて、蓮の花の写真を撮り続けるのか、僕の想像を超えている。しかし、大出氏は花の美しさを見つめる以上に、花が語る詩を翻訳しようと懸命なのではないかという気がする。造形の美しさは飽きるが、花の心を読み始めると、果てしないからである」

隈研吾「…花のごとき建築を作ろうとしたものはことごとく無残な結末を迎える。花とは似ても似つかぬ物体が立ち上がる。建物に唯一可能な事は、花の邪魔にならないことである。それとて、たやすい事ではない。建築は、普通に立ち上げてしまっても、重たすぎ、強すぎるからである。邪魔にならないためには、尋常ならざる工夫、努力が必要である。花がそれを強いるのである」

阿久悠「花と小父さんの呼吸比べ 大出一博さんの花の写真に魅せられるのは、花の色や姿の美しさではなく、花の呼吸を感じさせるからだと思う。写真に撮られる人間がそうであるように、撮られる瞬間にフッと息を停める、あれを花もやっているように見えるからである。いけるものの健気が、何百分の一秒かの瞬間に現われる」

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